第7 労働時間等設定改善法の改正

1. 改正内容

(1) 勤務間インターバル制度の導入

 勤務間インターバル制度の導入が事業主の努力義務として規定されました。そのため、必要な措置を講ずるように努めなければなりません。

 

 勤務間インターバル制度の就業規則規定例

 

(2) 労働時間等の設定改善に関する労使の取組の促進

 企業単位での労働時間等の設定改善に関する労使の取り組みを促進するため、企業全体を通じて設定する労働時間等設定改善委員会の決議をもって、年次有給休暇の計画的付与、時間単位付与、および割増賃金の代替休暇の付与等に関する労使協定に代替することができるようになりました(労働時間等の設定の改善に関する特別措置法の改正、平成31年(2019年)4月1日施行)。

 

 

2. 現行労働基準法等での労使協定の締結・届出義務

(1) 労使協定とは

 労使協定とは、使用者が、その事業場の労働者の過半数で組織する労働組合がある場合においては、その労働組合と、

 その労働組合が無い場合には、労働者の過半数を代表する者と、書面により以下(2)図の事項のいずれかの法定事項について協定を締結すること、または、締結文書のことをいいます。

 

(2) 労基法、育介法(育児介護休業法)及び高年法(高年齢者雇用安定法)で労使協定の締結が義務付けられている事項

労使協定の締結が必要な事項

労基署等への届出義務

根拠法

貯蓄金の管理

労基法

賃金からの一部控除

×

専門業務型裁量労働制

事業外労働に関するみなし労働時間制

交代休暇

×

時間外・休暇労働

1か月単位の変形労働時間制

1年単位の変形労働時間制

1週間単位の変形労働時間制

フレックスタイム制

フレックスタイム制の下での時間外・休暇労働

年次有給休暇中の賃金支払(標準報酬日額)

×

年次有給休暇の計画的付与

×

年次有給休暇の時間単位での付与

×

1か月60時間を超える時間外労働の賃金引上げ分(25%以上)の代替休暇の付与

×

育児・介護休業、子の看護休暇、介護休暇等の適用除外者

×

育介法

65歳までの雇用継続制度

×

高年法

上記図のうち、〇印を付してあるものが担当行政機関(労基署等)に届け出て、受理されることが必要な労使協定です。

 

 届出義務がない協定書(×印)については、その事業場に保管しておき、臨検監査の際には、提示できるようにしておかなければなりません。

 

3. 労使協定手続

 労使協定の締結・届出・周知の手順

① 会社が労使協定案を作成

 

② 会社と従業員の過半数代表者とで協議、両者で署名、押印して締結

  労使協定は、事業場ごとに結ぶ。複数の事業場を持つ会社は、それぞれの事業場ごとに協定を結ぶことが必要です。

  イ 会社側

    社長(代表取締役)自ら事業場ごとの締結当事者になっても、支店長や工場長など、各事業上の長がなってもよい。

 

  ロ 従業員の過半数代表者

    その事業場の全従業員の過半数を代表する者。

 

③ 労基署長に届出・受理

  労基法で届出が義務付けられている場合のみ行う。

 

④ その事業場の従業員に周知する

 

⑤ 事業場に保管

  労基法に基づく労使協定の場合、労基署の臨検監督とうの際に求められたら提示する。提示しないと労基法違反となります。