第6 フレックスタイム制度の精算期間上限「1か月」から「3か月」への延長

1. フレックスタイム制とは

フレックスタイム制とは、労基法に基づき、清算期間(最長3か月間)の所定労働時間の枠内で、各労働者の日々の出勤の時刻、1日の労働時間の長さを自主的に決めさせる制度です(改正法32条の3)。

 

 会社は、最長3か月間の精算期間に働く時間を決め、これに基づきコアタイム(原則として全労働者が職場にいなければいけない時間帯)とフレキシブルタイム(各労働者が職場にいなくてもよい時間帯)決めておきます。

 

労働者は、この枠内で各出勤日ごとに出勤時間を自由に決めることができます。

 

2. フレックスタイム制についての法改正

 フレックスタイム制についての労基署の改正内容は以下の通りです。

 

①精算期間の上限が、現行法の「1か月」から「3か月」に延長されます。

 

②清算期間が1か月を超える場合には、フレックスタイム制に係る労使協定の労基署長への届出が義務付けられます。

 

③精算期間が1か月を超える場合、清算期間の開始から区分した1か月ごとの1週平均の労働時間が50時間を超えた労働時間については、その月における割増賃金の支払対象とされます。

 

④精算期間が1か月を超える場合の中途退職者及び中途採用者及び中途採用者などについての賃金清算規定が設けられています。

 

⑤現行法での完全週休2日制の場合の不都合の解消が図られる。

 

 

 

3. 清算期間の上限「1か月」から「3か月」への延長と労使協定の労基署への届出

 現行法では、1回の精算期間の上限は「1か月」でしたが、「3か月」に延長されました。

 

 これにより、清算期間内に忙しい時期とそうでない時期があれば、忙しい時期に集中して働くことができ、働き方にメリハリをつけることができます。

 

 そのうえで、清算期間が1か月を超える場合には、労使協定の労基署への届出が新たに義務付けられることになりました。