第4 団体交渉とは

1)組合結成通知及び団体交渉申入書が来た場合の対処

ア 敵をしる(組合はどこか)

(ア)単位組合(単組)

独自の規約・執行機関等を持ち、労働組合として実体を備えている団体。当然、団体交渉権を有している。

(イ)支部・分会などの下部組織

単組内部で、それ自体が一個の労働組合としての組織実体を備えている下部組織。地方本部、支部、分会等の名称。本部労組の規約に下部組織には交渉権を認めないとの規約がない限り、本部とは別個の固有の団体交渉権を有する。もっとも、下部組織の団体交渉権の範囲は、その下部組織にかかわる事項に限られる。

団体交渉申し入れがこれらの事項に関するものであれば、使用者は支部・分会の申し入れを拒否できない(裁判例あり。全日通秋田支部事件・秋田地裁決定昭26.6.11・労民集2巻2号,オリエンタルモーター事件・東京高裁判決昭62.5.26・労判503号)。

(ウ)上部団体

単組が上部団体に加入している場合は、上部団体と単組の共同(連名)で団交申入れが行われたり(共同交渉申入れ)、上部団体が独自に団交を申し入れたりすることがある。上部団体が単組に対して実質的な統制力を持つ場合は、その上部団体には単組と別個の固有の団体交渉権が認められる(あけぼのタクシー事件・福岡地裁判決昭62.4.28・労判496号)。使用者はこのような条件を満たす上部団体の交渉申入れを拒否できない。

単なる情報連絡組織や共闘組織に過ぎない協議会や地区労等は、原則として独自の団体交渉権を持たないが、実質上連合体としての組織実態を備えている場合は上部団体としての交渉権を有する(栃木化成事件・東京高裁判決昭34.12.23・労民集10巻6号)。

上部団体は、上部団体独自の事項(使用者と上部団体との交渉手続)、加盟単組に統一的・共通な事項(労働条件の統一的要求など)について、固有の団体交渉権を有する。また、組合内で規約・慣行があれば、単組限りの事項についても、団体交渉権を有する。この団体交渉権は単組と競合しており、上部団体と各加盟単組との共同・連盟での交渉申入れという形で行使されるのが通常である。

(エ)日本の大規模労働組合

代表的な労働組合は以下の三団体である。

①全労連:日本共産党の支持母体。公務員、学校、医療関係に加盟団体が多い。労働委員会への救済申立てはほとんどこの団体がしている。主張が強固な傾向がある。

②全労協:社会党・社民党の支持母体。名ばかり管理職、残業の問題に力を入れている。大都市に加盟団体が多い。全労連よりは規模が小さい。

③連合:民主党の支持母体。

ユニオンはそれぞれ違うマスコミを利用している。

イ 分会・支部の有無

交渉申入れをしてきた組合が支部や分会を結成したものなのか、退職者や被解雇者が1名で結成したものなのかをチェックする必要がある。

支部や分会の結成の場合には、誰が支部長・分会長かで今後の組合活動は予測できる。すなわち、人望がある人、要職に就く人であれば、労組加入者が増えることが予想される。そうでない人ならば、1、2か月で消滅することもありうる。なぜなら、支部や分会の結成自体は簡単だが、上部団体への出席、上部団体からの徴収で手間がかかるからである。

使用者は、労働組合員が誰であるかはしつこく聞かないようにしたほうがよい。なぜなら、団体交渉が始まればいずれわかる事であるし、使用者の労組への支配介入(労組法7条3号)の不当労働行為と評価されるおそれがあるからである。

2)団体交渉の日時場所

団体交渉の手続き・ルールについては、基本的には労使双方の合意で決定する。こうした手続きやルールについては労働協約で定められていたり、慣行が形成されていたりする場合も多い。その場合には、特段の事情がない限り、定められたルール・慣行に労使双方が拘束される。

以下、日時・場所に関して問題となる事項を挙げる。

ア 日時

(ア)開催日を特定した団交申入れへの対応

団交事項に関する回答準備等のために時間的余裕が必要であると認められ、使用者が真にその理由で開催日の変更や延期を求めている場合は、使用者は「当該日には応じられない」と回答することができる。この場合、使用者はなるべく労組の申し入れた日に近い代替日の提案をすることが望ましい。

団交の準備や円滑な進行のためではなく、労働組合指定の日にはともかく応じないとか期日を故意に引き延ばすことは、正当な理由のない団交拒否となる(世界堂事件・東京都労委命令昭50.3.4・別冊中労委時報876号、渡島信用金庫事件・北海道地労委命令平元.10.30・労判557号など)。

労組からは、労組の指定日に応じない理由のウラをとるため、使用者に文書での回答を求めてくることが予想される。

(イ)業務多忙を理由とした団交の延期

期日の変更や延期の理由として当然に正当化されるわけではないので注意が必要である(七十七銀行事件・宮崎地労委命令昭45.7.28・命令集47巻)。

(ウ)団体交渉の時間・時間帯の設定

どの程度の交渉時間を設定するかは本来労使間の協議によって決定されるべきであり、交渉事項や交渉の経緯、当日の交渉の内容、労使の交渉態度等との関係で一概には言えない。

しかし、使用者からの一方的な交渉時間の限定や、予定時間経過による一方的な交渉の打ち切りは不誠実な交渉態度と評価されることがある。事前に合意した時間が経過した場合であっても(実際、長引くことは多い)、延長が必要かつ可能と認められる状況であるのに、使用者が一方的に交渉を打ち切ることは不誠実な交渉態度と評価されるおそれがある。

(エ)就業時時間中の団交開催の申入れへの対応

使用者としては、これは断るのがよい。就業時間内であると賃金支払いの問題が生じるからである。組合活動は①就業時間外、②会社の敷地外、③会社が管理する物を使用せず行う、というのが原則となるので、断わっても問題ない。

ただし、就業時間内に団交を行うことが、従来の慣行となっている場合には、慣行が尊重されるべきであり、慣行の変更には必要性・合理性が求められる(日本プラント協会事件・中労委命令昭62.10.7・労判509号)

イ 場所

基本的には労使の話し合いで定められるべき事項である。団体交渉権が労働組合の基本的権利として保障され、使用者は団体交渉義務を負うことから、労働組合側の便宜が優先される傾向にある。

場所をめぐっては、とくに①企業施設内で行うか施設外で行うかという問題、②企業施設内としても本社か(組合施設のある)事業場かという問題がある。

(ア)①企業施設内で行うか施設外で行うか

使用者側としては、会社施設や組合事務所で行うべきではない。組合事務所では不特定、多数人が出入りすることもあり、労使交渉を正常にできなくなるおそれがあるからである。

開催場所としては、会社が外部の会議室を借りるようにした方がよい。公民館などでは時間が無制限になりやすく、使用者側で時間設定ができる貸会議室を借りるのがよい。

余りにも遠い場所など労組側の便宜への考慮がなければ、不当な団交拒否ととられかねないので注意を要する。

費用については、使用者側が主導権を握るためには、労使で折半はせず使用者側が負担するのが望ましい。

事例として、冬季ボーナスに関する団体交渉につき、学園が校外の場所を指定しそれに固執した事案で、学園がその根拠とする教育上施設管理上の支障について具体的事実の疎明に乏しいなどとして不当労働行為の成立を認めたものがある(大手前高松高等(中)学校事件・中労委命令昭58.11.16・別冊中労委時報995号)

(イ)②企業施設内としても本社か組合施設のある事業場か

使用者側としては企業施設外とすることが望ましいとはいえ、慣行で施設内、事業場が交渉場所となっている場合もある。 一度企業施設内や事業場で行い、慣行ができてしまうと変更は困難である。

事例として、従来は慣行として当該事業場で団体交渉が行われてきたのに、使用者が遠隔地の本社での団交を主張し、固執した事案で、本社まで行く組合財政上の不利益や経費上からの参加人員制限、甚だしい非能率などを考慮すれば、組合が多大な犠牲を甘受しなければならない道理はなく、合理的な理由のない団交拒否となるとした労委命令がある(日本計算器事件・京都地労委命令昭43.5.28・命令集38巻307頁)

ウ なお、団体交渉とは直接面談することによる交渉であって、労使双方が合意しない限り、文書の往復や電話などによる協議は団体交渉にならない(普連土学園事件・中労委命令昭60.5・労経速1227号.奈良学園事件・奈良地裁判決平成2.4.25・労判567号、清和電器事件・最高裁判決平5.4.6・労判632号など)

3)団交の出席者

労組法6条で定められる。基本的には、労使ともそれぞれ出席者の決定権を有する。ただし、交渉権限を有する者、その者から権限を委任された者の出席が必要である。

ア 「労働組合の代表者」(労組法6条)

組合規約上の対外的な代表者(通常は委員長)だけでなく、その組合で交渉担当者となりうるとされている者(執行委員など)を含む。

解雇された者であっても、代表者とすることは組合の自由であるから、解雇された者の出席を理由とする団交拒否には正当性は認められない。解雇後に加入した者についても同様である(阪神電鉄事件・大阪地裁決定昭30.4.21・労民集6巻3号、米子作業事件.鳥取地裁米子支部判決昭41.5.19・労民集17巻2号)

もっとも、労働組合員全員を団体交渉に参加させる必要がないのは、労組法6条から明らかである。

イ 「労働組合の委任を受けたもの」(労組法6条)

交渉権限を委任できる者の範囲には何ら制限はなく、上部団体の役員や他の組合の役員、地域労働団体の役員、弁護士、一般組合員、団交事項に関係する組合員などいかなる者でもよい。したがって、使用者側が「上部団体の役員の出席を認めない」等の理由で団体交渉の拒否はできない。

上部団体等の団体に対する委任も、判例は認めている。理由は、労組法6条が自然人に限定していないこと、組合運動は団体相互の協力体制を運動形態とすること等である(姫路赤十字病院事件・大阪高裁判決昭57.3.17・労民集33巻2号)。

ウ 「使用者側の出席者」

使用者側の出席者について直接規律している労組法の規定はない。

労組法7条2号の団体交渉義務の一内容として、使用者には誠実に団交に応ずべき義務があり、団交には団交事項について決定権を有する者、または決定権を委任された者が出席することが実りある交渉には望ましい。実際上交渉権限の与えられていない者による見せ掛けだけの団交は誠実交渉義務違反の典型例である。

しかし、会社側としては社長や代表者本人には出席させない方が良い。労組側の不満が社長に向けられ、狙い撃ちにされることが考えられ、これに対して社長も法に反する発言をしてしまうことが多いからである。また、社長しかわからない内容はほとんどないであろうし、新しい議題については調査のための猶予が許されるので社長による即決即断が必要とされないのである。

もっとも、10名以下の小規模会社では内情を把握した社長・代表者の出席もやむを得ない場合もある。また、交渉の最終局面においては、決定権を有する社長・代表者の出席が求められることもある(マp87)。

4)団体交渉事項

組合の団体交渉申入書に、その団体交渉における交渉事項が明記される。企業として処分権限がある事項であれば、使用者が任意に交渉に応じる限り、どのような事項でも団体交渉の対象事項になる(例えば、株主総会の決議事項である取締役・監査役の選任等も含む)。

ただし、組合と使用者との労使関係や組合員の労働条件その他の待遇とは全く関係のない事項については、使用者が団体交渉に応じなくても不当労働行為とはならない。

使用者が団体交渉に応じることを義務づけられるのは、一般的に言えば「構成員たる労働者の労働条件その他の待遇や当該団体的労使関係の運営に関する事項であって、使用者に処分可能なもの」である(エス・ウント・エー事件・東京地裁判決平9.10.29・労判725号、本四海峡バス事件・神戸地裁判決平13.10.1・労判820号)。以下、詳述する。

ア 「労働条件その他の待遇」

(ア)当然に含まれる事項

月例賃金、一時金、退職金、一部の福利厚生等の労働の対価としての報酬、労働時間、休憩・休日・休暇等の休息、安全衛生、災害補償、教育訓練等は当然に団体交渉事項である。

労働の内容・密度・方法・場所・環境等も原則として「労働条件」である。

(イ)非組合員の労働条件

労組法6条は労働組合は「労働組合又は組合員のために」「交渉数る権限を行使する」と定めており、原則としては非組合員の労働条件は団体交渉事項とはならない。

もっとも、非組合員の労働条件についても、団体の交渉事項とする旨の労働協約や労使慣行がある場合は、団体交渉事項となる。実際の労使関係においては、非組合員にかかわる問題も任意に団体交渉の場で協議されていることも少なくない。

また、こうした労働協約や労働慣行がない場合でも、労組法6条は労働組合は「労働組合又は組合員のために」「交渉する権限を有する」と定めていることから、非組合員の労働条件等であっても実質的に組合員の労働条件や待遇に直接関係ないし影響する場合は、団体交渉事項となる。

(ウ)解雇後に組合に加入した者

この者は解雇時には非組合員であるのだが、「組合員のために」なされた団交事項か否かは申入れの時点で判断されるので、解雇された者が解雇後に労働組合に加入して、団体交渉の申入れをしたときは、「解雇時に非組合員であった」ことを理由に団交拒否できない(旭電機工業事件・神奈川地労委命令昭44.1.6・命令集40巻、美濃商工事件・兵庫地労委命令昭61.8.22・労判485号)。

イ 人事に関する事項

(ア)当然団交事項になるもの

組合員の配転等の異動、懲戒、解雇等の人事措置の基準(理由、要件)や手続(組合との協議、同意約款等)は「労働条件その他の待遇に関する事項」として団交事項である。

(イ)人事考課の基準や手続、その具体的適用も原則として団体交渉事項である。

(ウ)特定の組合員の配転や解雇といった個々の人事措置も団体交渉事項である。解雇等につき訴訟や不当労働行為救済申立がされており係争中であることは正当な拒否理由にならないと解される(日本鋼管鶴見造船所事件・最昭61.7.15労判484号、大藤生コン三田事件・大阪地裁平8.9.30労判708号など)。

ウ 経営・生産に関する事項

新機械の導入、設備の更新、生産の方法、工場事業所の移転、経営者・上級管理者の人事、事業譲渡、会社組織の変更、業務の下請化などの経営・生産に関する事項は、一般的に、労働条件や労働者の雇用そのものに関係ある場合にのみ、その面において義務的団交事項になる。

たとえば、職場再編成や業務の下請化では、労働者の職種や就労場所に関する限りで団交事項になりうる。

エ 団体的労使関係の運営に関する事項

ユニオン・ショップ制、労働組合へ組合事務所・掲示板などの便宜供与、や組合活動のルール、団交の手続やルール、労使協議手続や争議行為に関する手続やルールなど、労働組合と使用者の関係を運営する上での事項も団体交渉事項である。

5)第1回団交の進め方

第1回団体交渉においては、組合から多くの要求が出されることが予想され、まずは要求を聞くにとどめるという姿勢で臨むのがよい。第1回交渉の場で決定・返答まで行うことは必要ではなく、持ち帰っての検討が可能である。もっとも、当所から労働協約を締結する意思がないことを宣言するなど合意達成の意思を明確にすることは誠実交渉義務違反となる(倉田学園事件・高松地裁判決昭62.8.27労判509合)。

また、要求事項については、趣旨の明確化、要求書記載の事項の明確化のために、明らかでない点、曖昧な点は質問をすべきである。

「議事録」、「覚書」などの書面には軽々とサインしないことが重要である。交渉担当者は、最低限持ち帰るにとどめる。労組の作成した文面通りの合意があったと評価されかねず、また文言解釈でも問題が生じうる。

使用者の誠実交渉義務には、必ずしも組合の要求を容れたり、譲歩をする義務まで含まれない。十分な討議ののちに双方の主張が対立し、意見の一致を見ないまま交渉打切りとなることは誠実交渉義務違反でない。十分な討議を尽くしたというためには、使用者は組合の要求・主張に対して十分な回答・説明・資料提示などの具体的な対応が求められる(裁判例として、シムラ事件・東京地判平9.3.27労判720号85頁、普連土学園事件・東京地判平7.3.2労判676号47頁,大和交通事件・奈良地判平12.11.15労判800号31号、高崎紙業事件・東京地判平18.1.30労経速1933号66頁)。

5)合意書(労働協約)作成のポイント

ア 団体交渉の結果、ある組合員の退職が合意された場合

組合だけでなく、組合員本人にも署名・押印をさせる。本来、団体交渉の当事者である組合の署名・押印があればよいが、本人と組合が仲違いした場合に備えて、本人の署名・押印も得ておく。

イ 組合の存続を前提に、ある事項について合意に至った場合

使用者側が案を作成して、イニシアティブをとることが望ましい。

労働協約に関しては、都合のいい有効期間の設定をしておく。3年を超える期間の設定は許されず、定めても3年の期間を定めたものとみなされる(労組法15条1項、2項)。期間を定めなかった場合は、労使双方の当事者は書面により90日前の予告をすることで解約することができる(15条3項前段、4項)。この解釈については、法律の規定上は格別の理由は必要とされていないが、あまりにも恣意的で労使関係の安定を著しく損なうものであれば、解約権の濫用とされることもありうる。

また、解約を見据えて、一つの労働協約に多くのことを盛り込まないことも重要である。労働協約の解約に置いては、協約の一部の解約より全部の解約の方が効力が認められやすいのである。たとえば、協約で労組に対して掲示板の貸与を許すなら、掲示板の貸与だけを定めた労働協約とすべきである。

3)合同労組・コミュニティユニオンの団交の特徴

ア 合同労組とは、企業内部ではなく一定地域を団結の場として結成される労働組合である。企業の枠を越えて、労働者が個人ごとに所属することができる。近年、中小企業のパートタイム労働者などが個人加入する小規模な地域一般労組が増加しており、コミュニティ・ユニオンと称されている。これら労組は、個々の労働者の解雇その他の雇用関係上の問題を個々の企業との交渉によって解決することを試みるものであり、駆け込み寺機能を果たすことに特徴がある。

企業別組合ではなくとも、法律上の保護は同様に受け、使用者に対して団体交渉を求めることができる。使用者としては、団体交渉には応じつつ、以下に指摘する点に注意すべきである。

イ 合同組合の団交の特徴としては、企業別組合も持たない中小企業と比較した場合に労使紛争に関する知識・経験が豊富であり、団体交渉の開始段階からイニシアティブをとるよう行動してくることが挙げられる。合同労組が労働組合への便宜供与や、団体交渉のルール(場所、時間、団交事項)などにつき、団交申入れの際に積極的に指定にしてくる事が考えられる。使用者側が、対応がわからないからといってそのまま受け入れてしまうと、合意や慣行の形成と評価されるおそれがあり、当該事項について以降の変更が困難になる。

したがって、第一回団体交渉におけるやり取りは重要であり、使用者も事前に団体的労使関係につき十分な知識を備え、適切な対応をすることが必要である(上記、「2)団体交渉の日時場所」や「4)団体交渉事項」を参照)

ウ 交渉過程においては、合同組合はその性格上、個々の組合員が持ち込む労働問題の経緯や原因、企業の内情について細部まで把握していないこともあるので、使用者が合理的な資料を提供することで組合に実情を把握させれば、交渉を円滑に進めることが期待できる。

エ また、一部の合同組合は交渉に大人数で押しかけたり、とうてい合意できないような無茶な要求を固持するなど、無理難題を突きつけてきて交渉が円滑に進まないこともありうる。

このような場合には、あえて使用者から労働委員会へのあっせんを申立て、中立な第三者を入れて入れることで、交渉体勢を立て直すことも一つの手段である(労働関係調整法12条に基づき、同法6条の「労働争議」として、あっせんの申請を行う)。

5 不当労働行為とは

1)労組法は労働組合の団結権 団体交渉権 団体行動権を侵害する使用者の行為を「不当労働行為」として禁止しています(労組法7条)そして、不当労働行為にたいして労働委員会による救済という特別の救済制度をもうけています。

不当労働行為とは次の3つの類型に分けられます。

1 不利益取り扱い 2 団体交渉拒否 3 支配介入 の3つである。

2)不利益取り扱い

ア 労働組合の組合員であること イ 労働組合に加入もしくは結成しようとしたこと ウ 労働組合の正当な行為をしたことを理由として労働組合や組合員に対して行う一切の不利益取り扱いが不当労働行為となります。

EX1 労働者の身分の得そうに関するもの(解雇 労働契約の更新拒否 本採用拒否 退職強要)

EX2 人事権の行使に関するもの(遠隔地や異職種への配置転換 出向 懲戒処分 休職命令など)

EX3 待遇に関する差別(一時金や昇給にかんして理由無く低査定を行う)

3)団体交渉拒否

使用者が団体交渉を理由無く拒否したり、誠実な団体交渉を行わなかった場合には

ア 労働委員会による行政救済

イ 裁判所による民事訴訟を通じての救済がありうる。

4)支配介入

組合結成や組合の組織運営・活動を妨げる一切の行為や組合弱体化行為が支配介入に該当する。

EX1 組合員への脱退、不加入を促す行為

EX2 組合活動の監視、スパイ活動

EX3 組合の掲示物の撤去組合事務所の使用妨害

6 便宜供与について

1)便宜供与とは

使用者が、就業時間中の組合活動を許したり、会社施設を組合事務所・組合用掲示板として貸したりするなど、組合活動に便宜を図る行為である。

本来組合は使用者・会社から独立性を有すべきであり、使用者の便宜提供は労組法7条3号の支配介入の不当労働行為となる場合もある。特に使用者による経費援助は、労働組合の財政的基盤を弱めて独立性を損なわせるものとして禁止されている(労組法2条但書2号、7条3号)。

使用者としては、会社施設や掲示板を貸す義務を負うわけではない。「義務がある」などという組合の常とう句にはまどわされないようにすべきである。

使用者に義務があるというには,労組側が会社施設・掲示板の使用ができないと組合活動に支障が出る等の特段の事情を立証することが必要である。

労働組合がビラ配りなどを始めた場合には、個人への中傷などにエスカレートするのを防ぐために、使用のルール設定したうえで掲示板を貸すことも一つの方法である(掲示板にルールを記載した協定書を掲示しておくとよい)。

2)組合活動における企業施設の利用、就業時間中の組合活動に関する判例

ア 判例は、原則として組合活動における施設利用、就業時間中の組合活動は正当と認めない。

組合の側で正当であるとする特段の事由を立証しなければならない。

イ 組合活動の正当性否定の事案

労働者が自分のロッカーに組合ビラを貼った事案では、「労働組合が使用者の許諾を得ないで、企業施設で組合活動を行うことは、その利用を許さないことが使用者の施設管理権の濫用と認められる特段の事情がない限り正当性を有しない」と判断された(国鉄札幌電車区事件・最高裁判決昭54.10.30労判329号)。

就業時間中にベトナム反戦のプレートを着用したという事案については、「勤務時間中反戦プレートを着用することは精神的活動の面から注意力のすべてが職務遂行に向けられなかったと解されるから、職務上の注意力のすべてを職務遂行のために用い職務にのみ従事すべき義務に違反する」とした(電電公社目黒電報電話局事件・最高裁判決昭52.12.13労判287号)。

ウ 組合活動の正当性肯定の事案

会社構内での許可なしの時間内組合活動を正当とした事案(国産自動車交通事件・最高裁判決平6.6.7労旬1349号)。

門前の会社構内でのビラ配布を正当な組合活動を認めた事案(住友化学工業事件・最高裁判決昭54/12.14)。

工場の食堂内での休憩時間中のビラ配布に関して、「会社内の秩序風紀を乱すおそれのない特別の事情」が認められるとして戒告処分を無効とした事案(明治乳業事件・最高裁判決昭58.11.1労判417号)。

7 労働協約の作成

1)労働協約と効力

ア 労働協約については「労働組合と使用者又はその団体との間の労働条件その他に関する労働協約は、書面に作成し、両当事者が署名し、または記名捺印することによって効力が生じる」とされる(労組法14条)。労働協約は、この要件を満たす労働組合と使用者の協定である。

要件を満たすものであれば、「合意書」、「覚書」、「確認書」、あるいは表題の無い文書など、文書の表題とは関係なく、労働協約となる。したがって、団体交渉終了後に、組合側が議事録にサインを求めてきた場合などには、議事録だからと軽々とサイン(署名)しないことが重要である。

団体交渉により合意に至った事項については、一方の書面化要求を他方が拒否することは労使間の信義に照らし、特段の事情がない限り許されず、会社が書面化(労働協約化)を拒否する場合は不当労働行為となる(大阪貨物事件・中労委命令昭48.3.7命令集49巻、日本海重工事件・富山地裁判決昭29.5.15労民集5巻3号)。

イ 労働協約は単に労働組合と使用者間の取り決めにとどまらず、規範的効力と一般的拘束力を有する点に特徴がある。

(ア)規範的効力(労組法16条)

労働協約は組合と使用者間の協定であるが、規範的効力によって協約で定めた内容がその組合に所属する労働者と使用者の個々の契約における労働条件となる。

(イ)一般的拘束力(同法17条)

一の工場・事業場の4分の3以上の労働者が所属する労働組合が締結した労働条件に関する労働協約は、その組合に非加入の労働者にも適用され、規範的効力を及ぼす。これを一般的拘束力という。

一般的拘束力が及ぶ単位である「一の工場事業場」(労組法17条)とは、企業・会社ではなく、文字通り個々の「工場」「事業場」を意味する。

また、一般的拘束力が及ぶのは「同種の労働者」(労組法17条)であり、ⅰ非正規社員、ⅱ非組合員の管理職がこれに含まれるか問題となる。

ⅰ 非正規社員については、①協約締結j組合の組合員である正社員との関係で、作業内容、作業態様、人事処遇、雇用形態等の同一性を実質的に検討して決定する考え方(日本鋳工事件・東京地裁判決昭35.8.31・判タ108号)、②協約当事者である組合が非正規社員も組織対象にしているか、当該労働協約が非正規社員も適用対象としているかを検討して決定する考え方(日野自動車工業事件・東京高裁判決昭56.7.16、最高裁判決59.10.18労判458号)がある。いずれの考え方であれ、非正規社員を正規社員と「同種の労働者」として認めた例はない。

ⅱ非組合員の管理職については、労働協約が管理職を適用対象から排除していない場合には、管理職も含まれる(朝日火災海上保険高田事件・最高裁判決平8.3.26労判691号)。

なお、労働協約を締結した組合とは別の組合が存在する場合には、その組合の組合員に対しては一般的拘束力は及ばないと解されている。なぜなら、別組合・少数組合の団結権、団体交渉権を擁護する必要があるからである(大輝交通事件・東京地裁判決平7.10.4労判680号)。

2)労働協約の類型

ア 労働協約で取り決める事項については制限がなく、労使間で合意に達しさえすれば、あらゆる労使間の問題が協約対象になる。

労使間の団体的労使関係の運営や労働条件の全般について取り決める「包括協約」と、各年度ごとの賃上げ協定や個別組合員の処遇等について定める「個別協約」がある。

イ 労働条件に関する協約

賃金、労働時間、休日、休暇、安全衛生、災害補償、懲戒、人事、解雇、福利厚生など、労働条件に関するあらゆることが対象となる。これらには、規範的効力が生じる。

このような労働条件の変更について、組合との事前協議、事前の同意を要するという協約が締結されることもある。

ウ 組合活動等に関する協約

(ア)組合員の範囲に関する協約

組合員の範囲を一定の職制以下の者に限定する(EX管理職を組合員の範囲外とする)、正社員に限る(EXパートタイマーは除外する)などの協約である。このような協約は、ユニオンショップ協定やチェックオフ協定の及ぶ範囲を明確にし、また法適合組合の要件(労組法2条但書1号の「利益代表者」など)をめぐる紛争を回避するために利用されることがある。

もっとも、本来組合員の範囲は組合が自由に決定できる事項であるとして、組合から破棄や解約が主張され、協約の効力についての紛争が生じるおそれがある。労働協約に定められる組合員範囲条項について、組合の一方的な一部解約の主張を認めた裁判例がある(日本IBM管理職事件・東京地裁平15.10.1労判864号)。

(イ)ユニオンショップ協定

ユニオンショップ協定とは、「その労働者がその労働組合の組合員であることを雇用条件とする労働協約」(労組法7条1号但書)であり、一般的には使用者が当該組合の組合員でない者、組合員でなくなった者を解雇する義務を負う。もっとも、他の組合を結成し、またはこれに加入した者はユニオンショップ協定に基づいて解雇できない。

また、ユニオンショップ協定に基づく解雇は、その具体的な事情によっては無効となる場合がある(組合による除名が無効であった場合の事例として、日本食塩製造事件・最高裁判決昭和50.4.25・労判227号がある)。

(ウ)唯一団体交渉約款

たとえば、「会社は〇〇組合を唯一の交渉団体として認める」といった協約である。組合の分裂や他組合の使用者との交渉の阻止を目的として定められることがあるが、法的には効力は認められない。この協約によって、使用者が他の組合との団体交渉を拒否することはできず、拒否した場合には不当労働行為となる。

(エ)チェックオフ協定

使用者が組合員の組合費を給与から控除し、これを一括して組合に交付することをチェックオフという。協約を締結した組合にとって、組合費用が確実に徴収できる点で大きなメリットがある。チェックオフは労働組合の運営に極めて重大であるので、使用者が協約があるにも関わらず、合理的な理由なくチェックオフを排止すれば、支配介入の不当労働行為となる(労組法7条3号)。

チェックオフには労働者の権利や他組合との関係で、法律上問題となる点がある。

ⅰ 賃金全額払い原則(労基法24条)との関係

労基法24条1項は、賃金の全額払いの原則を定めている。例外が認められるのは、①事業場の労働者の過半数が属する労働組合(過半数組合)があるときはその組合と、②過半数組合がない場合は事業場の過半数の労働者の代表者と、書面によって協定をした場合である(労基法24条1項)。

判例も24条1項の例外の要件を満たした場合にのみ、使用者はチェックオフを行うことができるとしている(済生会中央病院事件・最高裁判決平元.12.11労判552号)。

ⅱ 個別組合員からの支払委任

判例は、チェックオフをなしうるためには、単に使用者と組合の契約(労働協約)があるだけでは足りず、チェックオフ相当額を直接組合に支払うことの委任を使用者が個々の組合員から取り付ける必要があり、また個々の組合員からチェックオフの中止を求められた場合には、使用者はその者のチェックオフを中止すべきであると判断している(エッソ事件・最高裁判決平5.3.25・労判650事件)。

組合分裂や新組合結成の場合に、使用者が旧組合脱退者等に対して旧組合とのチェックオフ協定に基づくチェックオフを行い、組合費を旧組合に渡すことは不当労働行為となる。このような場合には、使用者はチェックオフ相当額を新組合ではなく、個々の脱退組合員等に支払うべきである(ネスレ日本霞ヶ浦工場事件・最高裁判決平7.2.23・労判670号)。

(オ)争議条項(平和条項)

労働協約によって、その有効期間中は当該労働協約で定めた事項については、その改廃を求めた争議行為を行わない義務が生じる(相対的平和義務)。これとは別に、協約で定めた事項に限らず一切の争議行為を行わない旨の条項を設ける場合がある。この条項により生じる義務を絶対的平和義務という。

また、争議行為そのものを禁止するのではなく、争議行為の手続きを定める条項を設けることがある。具体的には、争議の予告、保安要員の確保、調停・斡旋の前置などを定めるものである。

平和条項(平和義務)違反の効果について、組合員、組合との関係で問題となる。争議行為に参加した組合員を懲戒処分に付しうるかについて、協約上の義務違反は労働組合と使用者の契約上の債務不履行となり、個々の組合員による企業秩序の侵犯とはいえないから、懲戒処分を課すことはできない(弘南バス事件・最高裁判決43.12.24・判時546号)。組合に対しては、協約違反は債務不履行として損害賠償請求をすることができる(民法415条)。

(カ)団交ルール

団体交渉の手続きやルールを労働協約として定めることができる。

(キ)組合事務所、掲示板の利用などの便宜供与

使用者が任意で行う労働組合への便宜供与についての定めである。

(ク)労使協議会条項

労使の対立的・対向的な関係を前提とする団体交渉と対照的に、労使の協力・強調関係を前提とする労使協議制の制度を構築する場合に定められる協約である。

労使協議制について法律の定めはなく、労使間の合意(労働協約など)により設置される。協議の対象事項は団体交渉事項より広く、経営・生産に関する事項にまで広げるのが一般的である。

エ 倒産や企業再編に備えた協約

倒産、企業再編、リストラなどの場合には、使用者に人員整理の必要が生じ、労働者の地位が不安定となるので労使間で紛争が生じやすい。このような紛争に備えて、労使間で事前に団交等の手続・ルールを形成し、協約化しておくことが望ましい。

3)労働協約の期間と失効

労働協約に有効期間を定める場合には、その期間は3年を超えることができない(労組法15条1項)。3年を超えた期間が設定された場合には、3年とみなされる(同条2項)。期間を定めなかった場合は、90日前の書面による予告をすることで解約することができる(同条3項、4項)。

労使関係は継続的、長期的な関係であることから、いったん決めた労働協約であっても、諸条件が変わった場合にまで長期にわたって変更できないとすることは適切でないからである。

有効期間の経過により労働協約は失効するが、自動更新条項を定めておけば当然には失効しない。自動延長条項というものもあるが、これは元の有効期間(3年未満の期間)を延長するものであり、元の有効期間の始期から3年を超える延長はできない。

EX 自動更新条項

「本労働協約は、有効期間満了の2ケ月前までに一方の当事者から更新をしない旨の文書による通告がない場合には、さらに同一の期間、更新するものとする。」

4)労働条件を引き下げる協約の効力

ア 規範的効力(労組法16条)について

(ア)労働条件を引き下げる内容の労働協約も原則として規範的効力(労組法16条)を有し、組合員の労働条件を規律する。

ただし、内容が極めて不合理な場合、労組内での意思決定が民主的かつ公正なものでない場合は、規範的効力が否定されることもある。

(イ)判例

ⅰ 規範的効力を肯定した判例

定年年齢及び退職金支給率を引き下げる旨の労働協約の変更がされた事案。労働者の受ける不利益は小さくないものの協約が締結されるに至った経緯、会社の経営状態、協約の基準の全体としての合理性に照らせば、同協約が特定の組合員をことさら不利益に取り扱うことを目的とするなど労働組合の目的を逸脱して締結されたものといえないとして規範的効力をみとめた(朝日火災海上保険石堂事件・最高裁判決平9.3.27労判・713号)。

ⅱ 規範的効力を否定した判例

53歳以上の組合員の給与を23%減額し、これを若年組合員に配分した事案。内容が不合理であるうえ、組合内の手続きとして、大会付議事項にも拘らず大会が開かれず、対象組合員の意思の反映手続も不十分であったとして、減額対象組合員への規範的効力を否定した(中根製作所事件・東京高裁判決平12.7.26・労判789号)。

56歳に達し、かつ希望退職に応じなかった従業員に対して、一律に基本給30%を減額する内容の労働協約が締結された事案。裁判所は、原則として規範的効力を有すると解すべきとしつつ、その内容が特定の者に著しい不利益を与え、これを甘受させることが、内容的にも、手続的にも著しく不合理である場合には、その規範的効力を否定すべきとして、基本給減額の効力を否定した(鞆鉄道事件・広島地裁福知山支部判決平14.2.1・労判825号)。

イ 一般的拘束力(労組法17条)について

一般的拘束力について、判例は不利益な内容というだけで否定されるものではないとしている。例外として、不利益な協約を非組合員に及ぼすことが著しく不合理であるとの特段の事情がある場合には否定される(朝日海上火災保険高田事件・最高裁判決平8.3.26・労判691号)。

なお、他労組組合員については、一般的拘束力を否定する判例が一般的である(大輝交通事件・東京地裁平7.10.4・労判680号)。

どうしても交渉をまとめたい場合、まとめた方が良い場合には、使用者がイニシアティブをとって労働委員会の制度を利用することができる。労働委員会の調整手続きは労働関係調整法に定められており、あっせん、調停、仲裁がある。

ア あっせん

あっせんは、あっせん員が関係当事者間をとりもって、双方の主張の要点を確かめ、事件が解決されるよう努める手続きである(労働関係調整法13条)。

あっせんは、労働争議の当事者双方または一方からの申請に基づいてなされる(労働関係調整法12条1項)。したがって、使用者からの申請も可能である。

実際上、あっせんの申請は一方当事者の申請によることが大多数であり、相手方当事者は労働協約上の規定がある場合を除きあっせんに応じる義務があるわけではないが、応じないケースは少ない。あっせんは、一方当事者の申請のみで開始でき、手続きが簡易で機動的であるため、最も多く利用される調整手続きである。

あっせんでは、調停、仲裁と違って委員による解決案の提示は必ずしも行われるわけではないので、使用者が解決案提示のイニシアティブをとることも可能である。

使用者としてのあっせん利用のデメリットとしては、あっせん委員が紛争をまとめる事しか考えず使用者側の譲歩が求められること、あっせん委員の解決案があまり考えられておらず、実際上の妥当性に問題があるために、後に紛争が生じること等が挙げられる。

イ 調停

労働委員会に設けられる調停委員会が関係当事者から意見を徴して調停案を作成し、その受諾を当事者に勧告する手続きである(労働関係調整法17条以下)。

ウ 仲裁

労働委員会に設けられる仲裁委員会が、両当事者に対し拘束力ある仲裁裁定を下す手続きである(29条以下)。

なお、以上の労働員会の調整手続きは、労組と使用者の団体的労使関係における労働争議についての手続きである。個々の労働者と使用者の個別的労働紛争については、個別紛争労働紛争解決促進法(2001年10月成立)において調整手続きが定められている。

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