4 労働協約

 労働協約とは、労働組合法(労組法)14条に基づき、「労働組合と使用者又はその団体との労働条件その他に関する」協定であって、「書面に作成し、両当事者が署名し、押印したもの」をいいます。

 

 就業規則が使用者により一方的に作成するのに対して、労働協約は労働組合と使用者との合意に基づいて作成されます。例えば、労働組合と使用者が賃上げ交渉をし、その結果合意が得られた場合には労働協約を締結するということが考えられます。

 

 労働協約は労働組合と使用者の合意に基づくものですが、労働組合法は組合所属の個々の労働者と使用者との労働契約を直接規律する効力を認めています(労組法16条)。この効力によって、労働契約上の事項で労働協約に違反する事項や、労働契約上定められていない事項については労働協約に定められている事項が労働契約の内容となります。